中国の商標登録制度 - 商標登録ホットライン 外国・海外

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中国

中国で商標登録を行う場合の実務的な留意点についてご説明しています。

出願に係る情報及び書類

1.願書

(1)出願人の名称及び住所の表記方法

出願人の名称及び住所を英語及び中国語で表記する必要があります。
法人の場合には、法人の代表者名も英語及び中国語で表記する必要があります。

ただし、出願人の名称が漢字だけで構成されている場合、中国語表記は不要です。
また、英文字3文字の場合も中国語表記は不要です。(ex.株式会社ABC)

出願人の名称について中国語表記を用意していない場合、出願人の名称に含まれる文字の意味又は読み方を現地代理人に伝えた上で、対応する中国語の当て字を無料にてご提案致します。

(2)商標見本

色彩を指定する場合は、着色見本(5部)と、白黒見本(1部)と、色彩の説明が必要です。
商標に中国語及び英語以外の外国語が含まれているときは、その外国語の翻訳が必要です

(3)指定商品又は指定役務とその区分
●区分

1994年にニース協定に加盟し、国際分類を採用しています。
一出願多区分制を採用していないため、区分ごとに出願する必要があります。

●商品又は役務の包括表示

商品又は役務の包括表示は、一部の商品については認められていますが、認められない商品もあります。

●小売サービス

小売サービスは認められていません。このため、小売サービスについて保護を受けるためには、小売サービスにて取り扱う各種商品及びサービス「販売促進のための企画及び実行の代理,事業の管理に関する補助」等を指定する必要があります。

2.委任状

委任状(コピー可)を出願と同時に提出する必要があります。
委任状について公証及び認証を行う必要はありません。

現地代理人が同一である場合、一度、委任状を提出すれば、その後の他の出願について、再度、委任状を提出する必要はありません。

3.優先権証明書

優先権を主張する場合、優先権証明書類を出願日から3カ月以内に提出する必要があります。

概算費用

中国における1件あたりの商標調査・出願から登録までの手続に必要な概算費用は以下のとおりです。外国への出願費用は、利用する代理人や為替レートによって変動するため下記の金額はいずれも概算額です。なお、下記費用は、マドリッド協定議定書(マドプロ)に基づく国際商標出願ではなく、中国に直接出願する場合の費用です。

■調査:約6万円
■出願:約13万円
■登録:約3万円

1区分内で9以内の商品又はサービスを指定した場合の概算費用です。詳細はお問い合わせ下さい。

期間

1.調査期間

調査期間は10日~2週間です。

2.審査期間(最初の審査結果が届くまでの審査期間)

審査期間は、出願日から1年から1年半後です。
なお、早期審査制度はありません。

3.存続期間

商標権の存続期間は、商標登録の日から10年間です。10年ごとに更新が可能です。更新手続は、原則として、存続期間満了前6カ月以内に行う必要がありますが、存続期間満了前に更新手続できないときは6カ月の猶予期間があります。

マドプロ出願

マドリッド協定議定書(マドプロ)に基づく国際商標出願が可能です。
マドプロ出願を行った場合、以下の特殊な点があります。

  • 一出願で多区分を指定することが可能。
  • 指定商品・役務(サービス)の表記が明瞭であるか否かの審査及び補正命令がない。
  • 1区分に属する指定商品・役務(サービス)の数が10以上であっても追加費用が発生しない。
  • 拒絶査定に対する不服審判は30日以内に提起すればよい(通常は、15日以内)。
  • 中国商標局から商標登録証は発行されない。

出願時の注意点

不使用取消制度と商標の使用義務

商標権者又は商標権者からライセンスを受けた者が、登録商標を中国国内において継続して3年以上使用していない場合、不使用取消審判が請求されると、その商標登録が取り消されます。

商標権の効力が及ぶ地域

中国で商標登録した場合、台湾、香港及びマカオについては商標権の効力が及びません。
このため、台湾、香港及びマカオについて商標権を取得するためには、中国における商標登録手続とは別に、台湾、香港及びマカオそれぞれに商標登録出願を行う必要があります。

カタカナ及び平仮名の取り扱いについて

中国における商標の審査においては、カタカナ及び平仮名は文字ではなく図形として認識されています。また、中国の一般的な消費者も、カタカナ及び平仮名を文字ではなく図形として認識すると考えられています。

また、中国の商標審査基準では、原則として、「漢字」「平仮名」「カタカナ」「アルファベット表記」及び「ピンイン<中国語の発音表記>」は、相互に類似しないと考えられています。このため、まずは、中国国内において実際に使用する予定の会社名又はブランド名の表記を優先的に商標登録されることをお勧め致します。使用しない予定の表記については、模倣品対策としては登録されておくことをお勧め致しますが、費用対効果を考慮して登録されるかどうかについてご検討下さい。

会社名の商標登録について

会社名について、商標登録を受けるためには、既に同一又は類似する商標が出願又は登録されていない等の一般的な登録を受けるための条件に加えて、以下の1.及び2.の条件を満たすことが必要です。

  • 出願人の名称と登録を希望する会社名の商標が同一であること
  • 登録を希望する会社名と同一の名称の会社が中国において存在しないこと。中国で既に同一の名称の会社が存在している場合には、以下の(1)及び(2)の条件を満たさなければ中国において商標登録を受けることはできません。

    (1)既に存在している同一の名称の会社よりも自社が中国において早く設立されたこと
    (2)既に存在している同一の名称の会社が中国において既に有名になっていないこと

有名の度合いは審査官の主観によりますが、少なくとも出願人の所在地で有名であることが立証された場合、登録することはできません。仮に、登録されたとしても第三者により異議申立て又は無効審判を請求された場合、登録が取り消されてしまいます。

会社名の略称(会社名から株式会社等を省略した部分)を登録した場合の効力範囲について

商標権は、他人が登録した商標と同一又は類似する商標を、指定した商品又は役務と同一又は類似する商品又は役務について使用した場合にその使用をやめさせられる権利です。そして、「株式会社」又は「有限公司」の有無のみが相違する商標は類似する可能性が高いケースに該当します。

つまり、会社名の略称を登録した場合、他人が後から会社名の略称に「株式会社」又は「有限公司」を組み合わせた商標を出願しても、かなりの高い確率でその登録を排除することが可能だと思われます。

会社名の略称を登録する場合のリスクについて

商標権者又は商標権者から使用許諾(ライセンス)を受けた者が、登録商標を3年以上中国国内で使用していなければ、誰でもその商標登録を取り消すことを請求できる手続(不使用取消審判)があります。
そして、登録した商標が会社名の略称だった場合、会社名の略称に「株式会社」を組み合わせた商標を中国において使用していても登録商標の使用とは認められず、不使用取消審判が請求された場合、登録を取り消されるリスクがあります。

従って、会社名の略称を使用する予定がなく、会社名の略称に「株式会社」を組み合わせた商標しか使用しない場合には、会社名の略称に「株式会社」を組み合わせた商標を商標登録することをお勧め致します。一方、会社名の略称を使用する予定がある場合には、会社名の略称を商標登録することをお勧め致します。

先登録対策

中国で先に登録された商標への対策としては、以下の3つの対策が考えられます。

1、不使用取消審判の請求

商標権者又は商標権者からライセンスを受けた者が、登録商標を中国国内で継続して3年以上使用していなければ、その商標登録を取り消すことができる手続です。当該手続にかかる費用は、約20万円~、期間は約1年半から2年半程度(20~30カ月)です。

2、無効審判の請求

登録された商標が登録条件に違反して登録された場合に、その登録を無効にすることができる手続きです。例えば、以下の(1)~(5)のいずれかの条件を満たした場合に無効にできる可能性があります。
当該手続にかかる費用は、約20万円~、期間は約1年半から2年程度です。また、条件を満たしそうかどうかについて現地代理人からおおまかな回答をもらうまでは、無料にて対応できると思われます。

  • 登録された商標の出願日より前に、自社の商標が中国本土で著名になっていたこと
  • 登録された商標の出願日より前に、自社の商標が中国本土で使用され、ある程度周知(有名)になっていたこと、及び、不正な手段で登録されたこと
  • 登録された商標の権利者が自社の代理人又は代表者であった等の取引関係があったこと
  • 自社の会社名であって一定の条件を満たした場合(詳細は「会社名の商標登録について」を参照)
  • 登録された商標が、自社所有の著作権により保護されるマーク又は特徴的なロゴである場合

3、譲渡交渉

商標権者から商標権の譲渡を受ける交渉を行うことができます。譲渡交渉が成立した場合、相手方と譲渡契約を結び、中国の特許庁へ商標権の譲渡手続を届け出る必要があります。商標権者との譲渡交渉代行をご依頼頂く場合の費用は、約50万円~です。交渉で相手が提示した商標権の対価については別途、必要です。譲渡手続にかかる費用は、上記費用に加えて別途約10万円が必要です。

日本企業であるとわかると、相手方が高額な対価を請求してくる場合があるため、中国現地代理人の傘下の企業名で交渉を行うことも承っております。この場合、交渉が成立した場合、傘下の企業から貴社へ譲渡手続を行う必要があるため、譲渡手続費用がもう1件分(約10万円)必要です。

中国で商標権の譲渡交渉において相手側が要求してくる費用の相場はあってないようなものです。一例として、弊所パートナーの中国代理人が経験した範囲をご紹介すれば、一番安かったケースが15万円、高かったケースが6500万円でした。

参考ホームページ

日本では、特許庁が特許出願と商標登録をともに取り扱っていますが、中国では
特許出願は中華人民共和国国家知的所有権局(SIPO)
商標登録は中華人民共和国国家工商行政管理総局商標局(中国商標局)
がそれぞれ取り扱っています。

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