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先願主義と先使用権について

先願主義

日本の商標法においては「特許庁に対し先に商標登録の出願手続を行った者」が優先的に保護される「先願主義」が採用されています。

このため、例えば、商標登録を行わずに商標の使用を開始したが、その後、その類似範囲において第三者が商標登録を行った場合、その第三者が優先的に保護されることになります。

先使用権

日本の商標法においては「先願主義」が採用されていますが、その例外として、商標を「先に使用していた者」を保護する制度(先使用権)があります。

「先使用権」を主張する場面としては、商標権侵害で警告を受けた又は訴えを起こされたといった場面が考えられます。裁判所において「先使用権」が認められれば、認められた範囲において商標を使用することができる権利を有していることになるため、本来は他人の商標権が及ぶ範囲内であっても、商標を使用し続けることができます。

しかしながら、先使用権が認められるためには、単に使用していたというだけでは足りず、以下(1)及び(2)の条件を満たしている必要があります。特に(1)の条件のうち「ある程度有名であること」をクリアすることはハードルが高く、なかなか認められていないのが現状です。

(1)

他人の商標出願前から、不正競争の目的なく日本国内において商標を使用しており、その結果、その商標が、商標を使用していた者の商標としてある程度有名であること

(2)

その商品又は役務について、その商標を継続して使用し続けること

どのような場合に先使用権が認められるかについては、明確な基準はなく、商品・サービスの分野により異なると考えられます。過去の判例を参照すると、商標の使用期間が10年以上と比較的長く、全国的に有名でないとしても、少なくとも一都道府県内においてある程度の需要者に認知されている場合は、先使用権が認められる可能性があると考えられます。

商標登録しないで商標を使用することのリスク

自社が使用している商標が、第三者の登録商標と抵触していた場合、商標権者から商標の使用を止めるよう差止め請求されることが考えられます。また、過去の損害について損害賠償が請求される場合も考えられます。

第三者の登録商標の出願日よりも先に自社が使用を始めていたとしても、上述したように、先に使用していた者が保護されるためには高いハードルがあります。

また、逆に他人が類似商標を使用していることを発見しても、商標権を有していなければ、その他人の行為を止めさせるための有効な対策を打つことができません。類似商標が付された商品が出回ったことに気づいてから商標登録しようとしても、先願主義であるため、その他人が先に商標登録してしまっていれば、自社が登録できないというケースも考えられます。

さらに、無事に商標登録できたとしても、出願から登録手続が完了するまでは少なくとも半年程の期間がかかりますので、その間、類似商標が付された商品の流出を止めることが困難です。

作成2017.1.11(FK)

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